会社のインボイス登録はいつまでに?
設立1期目の申請期限と、登録前に確認したいこと
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会社を設立すると、取引先から「インボイスの登録番号はありますか?」と聞かれることがあります。インボイス(適格請求書発行事業者)の登録は任意ですが、登録すると消費税の申告・納税が必要になるため、取引先の状況と自社の負担を比べて決めることになります。この記事では、登録するかどうかを考えるときのポイントと、設立1期目に申請するときの期限を、国税庁の公式情報をもとに整理しました。設立日と決算月から申請期限がわかるチェッカーも用意しています。
設立日から登録できる
末日が土日・祝日でも期限は延びない
原則2年は課税事業者
登録をやめてもこの期間は免税に戻れない
2026年9月30日を含む期まで
その後は一般課税か簡易課税で申告する
インボイスと登録のしくみ
インボイス(適格請求書)は、取引先が支払った消費税を、自分の納める消費税から差し引く(仕入税額控除)ために必要な請求書です。インボイスを発行できるのは、税務署に登録を受けた「適格請求書発行事業者」だけです。
登録を受けると、登録番号が通知されます。法人番号のある会社の登録番号は、「T」+13桁の法人番号です。登録した事業者の情報は、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で公表されます。
インボイスに必要な記載事項(国税庁「インボイス制度に関するQ&A」問54をもとに作成。金額は例です)
出典:国税庁「インボイス制度に関するQ&A」問10・問18・問54
登録するか考えるときの4つのポイント
登録するかどうかは、会社の取引の状況によって変わります。次の4つを確認しておくと、判断の材料になります。
1. 取引先は会社(課税事業者)か、消費者か
登録した事業者は、取引先(課税事業者に限ります)から求められたら、インボイスを交付しなければなりません。一方、消費者や免税事業者への交付義務はありません。たとえばお客様が消費者だけなら、必ずしもインボイスを交付する必要はありません。
2. 登録しないと、取引先が差し引ける消費税が減る
取引先が、登録していない事業者から仕入れた場合、支払った消費税の一部しか差し引けません。この割合は2026年度の税制改正で見直され、2026年10月1日からは70%です(下の図)。
3. 登録すると、消費税の申告・納税が必要になる
登録した日から課税事業者になり、売上の規模にかかわらず消費税の申告が必要です。免税事業者の会社が登録した場合は、原則として2年間は免税事業者に戻れません(下のチェッカーで期間の目安がわかります)。
4. 会社の「2割特例」は2026年9月30日を含む期まで。簡易課税も選べる
免税事業者から登録した事業者向けの「2割特例」を使えるのは、2026年9月30日を含む課税期間までです。2026年度の改正でできた「3割特例」は個人事業者が対象で、会社は使えません。それより後の期は、一般課税か、条件を満たせば簡易課税で申告します。
2026年度の税制改正後の割合です(改正前は、2026年10月から3年間50%、その後0%)。仕入れ先1者あたりの年間の仕入れが1億円を超える部分には使えないなどの条件があります。
簡易課税は、売上にかかる消費税に、業種ごとの「みなし仕入率」を掛けて仕入れの消費税を計算する方法です。基準期間の課税売上高が5,000万円以下の課税期間に使えます。選んだら、原則として2年間は続ける必要があります。
| 事業区分 | みなし仕入率 |
|---|---|
| 第1種事業(卸売業) | 90% |
| 第2種事業(小売業など) | 80% |
| 第3種事業(建設業、製造業など) | 70% |
| 第4種事業(飲食店業など、ほかに当たらない事業) | 60% |
| 第5種事業(運輸通信業、金融業・保険業、サービス業) | 50% |
| 第6種事業(不動産業) | 40% |
出典:国税庁「インボイス制度に関するQ&A」問10、「令和8年度税制改正特集」、「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」
申請期限チェッカー
※目安です。決算月の変更、合併・分割、課税事業者選択届出書の提出などがある場合は結果が変わります。免税事業者が登録する場合は、課税事業者選択届出書を出さずに登録する経過措置(2029年9月30日までの日を含む課税期間が対象)を使う前提で計算しています。正式な判断は、税務署や税理士にご確認ください。入力した内容は保存・送信されません。
申請の手順
- 申請書を用意する
「適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)」で申請します。e-Taxソフト(WEB版)なら、問答形式で入力できます。書面の場合は、各国税局の、納税地を管轄する業務センターに郵送します。 - 設立日から登録したい場合は、その旨を書く
申請書に「課税期間の初日から登録を受けようとする旨」を書き、1期目の末日までに提出します。末日が土日・祝日や12月29日〜31日でも、期限は延びません。 - 途中から登録したい免税事業者は、登録希望日を書く
登録希望日は、申請書の提出日から15日以降の日です。税務署の登録がその日より後になっても、登録希望日に登録を受けたものとみなされます。 - 登録の通知を待つ
通知までの目安は、e-Taxで約1か月、書面で約1.5か月です(2026年9月18日時点の国税庁の目安)。登録日から通知までの間に交付した請求書は、通知を受けた後に、登録番号など足りない事項を取引先に書面などで知らせれば、インボイスの記載事項を満たせます。 - 簡易課税にするなら、届出書も出す
免税事業者が登録した場合は、登録日を含む課税期間中に「消費税簡易課税制度選択届出書」を出せば、その課税期間から簡易課税を使えます。
出典:国税庁「インボイス発行事業者登録申請手続」「適格請求書発行事業者の登録通知時期の目安について」、「インボイス制度に関するQ&A」問7・問9・問11・問36
登録をやめたいとき
「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を出すと、原則として、翌課税期間の初日に登録の効力がなくなります。ただし、翌課税期間の初日から起算して15日前の日を過ぎて出した場合は、翌々課税期間の初日になります。
免税事業者が経過措置で登録した場合は、登録をやめても、登録日以後2年を経過する日を含む課税期間までは免税事業者に戻れません。課税事業者選択届出書を出していた場合は、免税事業者に戻るために「消費税課税事業者選択不適用届出書」の提出も必要です。
出典:国税庁「インボイス制度に関するQ&A」問7・問13
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よくある質問
設立日から登録すると、1期目の消費税はどうなりますか?
お客様が消費者だけでも、登録しないといけませんか?
登録番号は、法人番号と関係がありますか?
2期目の途中から登録した場合、いつまで課税事業者ですか?
参考にした公式情報
- 国税庁「インボイス発行事業者登録申請手続」
- 国税庁「適格請求書発行事業者の登録通知時期の目安について」(PDF、2026年9月18日)
- 国税庁「インボイス制度に関するQ&A」(問7・問9・問10・問11・問13・問18・問36・問54)
- 国税庁「令和8年度税制改正特集」(インボイス制度)
- 国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(PDF)
- 国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」
- 弥生株式会社「税理士紹介サービス」(2026年10月12日確認)
※この記事は一般的な情報と、公式サイトの掲載情報(2026年10月12日確認)をまとめたものです。税制は毎年の改正で変わることがあります。個別の判断は、税務署や税理士にご相談ください。