会社設立後にやることチェックリスト
手続きの期限と順番をまとめて解説
会社の設立登記が終わったら、すぐに始まるのが役所への届出です。社会保険のように「5日以内」と期限が短いものもあり、順番を知らないと慌てることになります。この記事では、設立直後にやることを時期ごとのチェックリストにまとめました。チェックを入れると進み具合が表示されます。
📅自分の会社の期限を日付で知りたいなら設立日と決算月を入れるだけで、提出期限を一覧で表示する「手続き期限カレンダー」へ ›設立登記の直後(〜1週間)
まずは、この後の手続きで使う書類をそろえて、期限が特に短い届出から片付けます。
社会保険の届出や法人口座の開設など、この後の手続きで何度も使います。必要な部数を数えて、まとめて取得しておくと効率的です。
法人の事業所は、報酬を受け取る役員が1人だけでも健康保険・厚生年金保険の加入対象になります。役員や従業員それぞれの「被保険者資格取得届」なども一緒に提出します。
法人住民税・法人事業税のための届出です。期限は自治体によって違うので、本店所在地の都道府県と市区町村のサイトで必ず確認してください。東京都の23区内なら都税事務所への提出、23区外なら市町村への提出も必要です。
取引先への請求や、資本金・売上の管理に使います。開設までに審査で時間がかかることもあるので、登記が終わったら早めに申し込むと安心です。必要な書類(登記事項証明書、印鑑証明書、本人確認書類など)は銀行によって異なります。
1か月以内にやること
役員報酬や給与を払う準備と、従業員を雇う場合の手続きです。
役員報酬や給与を支払う事務所を設けたときの届出です。役員報酬だけの会社でも、支払うなら対象になります。
パート・アルバイトを含めて従業員を1人でも雇うと、労働保険(労災保険)の「保険関係成立届」が必要です(保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内)。あわせて「概算保険料申告書」で、その年度の保険料を申告・納付します(同50日以内)。
雇用保険の加入条件(週20時間以上働き、31日以上雇用の見込みがあるなど)を満たす従業員がいる場合は、ハローワークに「雇用保険適用事業所設置届」(設置の日の翌日から起算して10日以内)と「被保険者資格取得届」(資格取得の翌月10日まで)を出します。
労働者を1人でも使用するようになると、労働基準法の適用事業となり、労働基準監督署に「適用事業報告」を遅滞なく提出します(労働基準法施行規則第57条)。
また、従業員に法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えて働いてもらう場合や、法定休日に働いてもらう場合は、労使で「36協定」を結び、あらかじめ労働基準監督署に届け出る必要があります。届け出る前の残業には適用されないので注意してください。
2〜3か月以内にやること
税務署への届出と、税金に大きく影響する「青色申告」と「役員報酬」の決定です。
青色申告にすると、欠損金(赤字)の繰越控除などの特典を受けられます。最初の事業年度が3か月より短い場合は、期限が事業年度末の前日までになるので要注意。法人設立届出書と一緒に出しておくのが確実です。
毎月支払う役員報酬を会社の経費(損金)にするには、原則として毎月同じ金額にする必要があります(定期同額給与)。金額を変えても経費として認められるのは、事業年度開始の日から3か月を経過する日まで(申告期限の延長特例を受けている場合は期間が変わります)に改定した場合や、役職の変更などやむを得ない事情がある場合などに限られます。設立1期目は事業年度の開始日=設立日なので、設立から3か月以内を目安に金額を決めておきましょう。
源泉徴収した所得税は、原則として支払った月の翌月10日までに納めます。この特例の承認を受けると、半年分をまとめて(1〜6月分は7月10日、7〜12月分は翌年1月20日)納められるので、毎月の手間が減ります。申請書を提出した月の翌月に源泉徴収する分から適用されます。
会社の状況によって必要なこと
すべての会社に必要なわけではありませんが、当てはまる場合は忘れずに。
新しく設立した法人は、最初の課税期間の末日までに「課税期間の初日から登録を受けたい」旨を記載して申請し、登録されると、設立日にさかのぼって登録を受けたものとみなされます。
法人設立届出書に、消費税の新設法人に該当する旨と所定の事項を記載して提出した場合は、この届出書は不要です。
届け出なかった場合は、法律で決められた方法が適用されます。別の方法を選びたい場合にだけ提出します。
事業を回すための準備
役所の手続きではありませんが、最初の決算までに整えておくと後がラクになります。
最初の確定申告は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。日々の記帳を自分でやるのか、会計ソフトを使うのか、税理士に任せるのかを早めに決めておきましょう。領収書や請求書の保管ルールもこの段階で決めておくと安心です。
交通費や備品代を誰がどう立て替えて、どう精算するかを決めておくと、経理の手間とミスが減ります。社用車で高速道路を使うなら、立替精算をなくせる法人ETCカードという方法もあります。
デスクやチェアなどの備品は、金額によって経費の処理方法が変わります。法人向けのオフィス家具通販には、請求書払いや組立設置に対応しているところもあります。
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期限の早見表
| 手続き | 期限 | 提出先 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 事実発生から5日以内 | 年金事務所 |
| 法人設立届(地方) | 自治体ごと(東京都は15日以内) | 都道府県・市区町村 |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 開設から1か月以内 | 税務署 |
| 労働保険 保険関係成立届 | 成立日の翌日から10日以内 | 労働基準監督署 |
| 労働保険 概算保険料申告書 | 成立日の翌日から50日以内 | 労働基準監督署など |
| 雇用保険 適用事業所設置届 | 設置日の翌日から10日以内 | ハローワーク |
| 適用事業報告(従業員を雇ったら) | 遅滞なく | 労働基準監督署 |
| 36協定(残業させる場合) | 残業・休日労働をさせる前 | 労働基準監督署 |
| 法人設立届出書 | 設立の日以後2か月以内 | 税務署 |
| 青色申告の承認申請書 | 設立から3か月経過日と事業年度末の早いほうの前日まで | 税務署 |
| 最初の確定申告・納付 | 事業年度終了日の翌日から2か月以内 | 税務署など |
よくある質問
役員が自分1人だけで、報酬もまだ決めていません。社会保険はどうなる?
手続きは全部自分でできますか?
期限を過ぎてしまったらどうすればいい?
法人番号はどうやって知る?
参考にした公式情報
- 国税庁「内国普通法人等の設立の届出」
- 国税庁「青色申告書の承認の申請」
- 国税庁「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」
- 国税庁「No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」
- 国税庁「No.5211 役員に対する給与」
- 国税庁「消費税の新設法人に該当する旨の届出手続」
- 国税庁「インボイス制度に関するQ&A」
- 日本年金機構「新規適用の手続き」
- 厚生労働省「労働保険の成立手続」
- 山梨労働局(厚生労働省)「時間外・休日労働に関する協定(36協定)について」
- 東京都主税局「事業を始めたとき・廃止したとき」
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、会社の状況によって必要な手続きや期限は異なります。正確な判断は、各機関または税理士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。