会社の消費税はいつから?
設立1期目・2期目が免税になる条件と判定ツール

最終確認日:2026年10月7日/国税庁・e-Gov法令検索などの公式情報をもとに作成

設立 1期目 2期目 3期目〜 原則 免税 原則 免税 1期目の売上で判定
※資本金1,000万円未満で、インボイス未登録などの条件を満たす場合

新しく会社をつくると、売上にかかる消費税をいつから納めるのかが気になります。消費税は原則として、2年前(前々事業年度)の売上で納める義務があるかを判定するため、資本金1,000万円未満の会社は、1期目・2期目が免税になることが多いしくみです。ただし、インボイス登録や、2期目の「特定期間」などによって、免税にならない場合もあります。公式情報をもとに条件を整理し、1〜3期目の目安がわかる判定ツールも用意しました。

この記事のポイント
資本金1,000万円未満なら
1・2期目は原則免税

判定に使う「2年前の売上」がないため

インボイス登録をすると
免税にならない

登録した日から消費税の申告・納税が必要になる

2期目は
最初の6か月もチェック

1期目前半の売上と給与がどちらも1,000万円超なら課税

消費税が免税になるしくみ

事業者は、売上にかかる消費税を納める義務があります。ただし、その課税期間の基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、一定の場合を除いて納税義務が免除されます。法人の基準期間は、原則として前々事業年度です。

設立したばかりの会社には、1期目・2期目の時点で前々事業年度がありません。そのため、資本金1,000万円未満などの条件を満たせば、1期目・2期目は免税事業者になります。3期目からは、1期目が基準期間になります。

1〜3期目の判定ツール

消費税の免税判定ツール設立日・決算月などを選ぶと、1〜3期目が免税になるかの目安と、2期目の判定に使う「特定期間」がわかります。
1. 設立日と決算月
決算日は月末として計算します。
2. 設立したときの資本金
3. インボイス(適格請求書発行事業者)の登録
4. 大きな会社などに支配されていますか? 株式の50%超を持つ株主(個人・会社)や、その関係会社などに、課税売上高が5億円を超えるところ(または売上の合計が50億円を超えるところ)がある場合は「はい」
5. 特定期間()の見込み 2期目の判定に使います。課税売上高と、給与・賞与などの支払額のそれぞれについて選んでください。
課税売上高
給与などの支払額
6. 1期目の課税売上高の見込み(任意) 3期目の判定に使います。税抜きの金額を入れてください。

※判定の目安です。決算月の変更、合併・分割、課税事業者選択届出書の提出、高額な資産の購入などがある場合は結果が変わります。3期目は、2期目の最初の6か月(特定期間)の売上・給与によっても課税になる場合があります。正式な判断は、税務署や税理士にご確認ください。入力した内容は保存・送信されません。

1期目・2期目でも免税にならない5つのケース

基準期間がない1期目・2期目でも、次のケースでは免税になりません。

1
1期目・2期目

事業年度の初めの資本金が1,000万円以上(新設法人)

基準期間がない事業年度の開始の日の資本金(出資の金額)が1,000万円以上の会社は「新設法人」として、その事業年度は免税になりません。2期目の開始の日に資本金が1,000万円以上になっている場合も同じです。

新設法人が基準期間のない課税期間中に、税抜き100万円以上の機械や建物などの「調整対象固定資産」を買い、一般課税で申告した場合は、一定期間、免税事業者に戻れない特例もあります。

2
1期目・2期目

大きな会社などに支配されている(特定新規設立法人)

資本金1,000万円未満でも、株式の50%超を持つ株主やその関係者などの課税売上高が5億円を超える場合(2024年10月1日以後は、売上の合計が50億円を超える場合も)は「特定新規設立法人」として、免税になりません。

3
登録した日から

インボイス(適格請求書発行事業者)の登録を受けている

インボイスの登録を受けている事業者は、基準期間の課税売上高にかかわらず、納税義務が免除されません。期の途中で登録した場合は、登録日から課税事業者になります。

4
届出の効力が生じた期から

「消費税課税事業者選択届出書」を出している

自分から課税事業者を選ぶ届出です。設備投資などで、支払った消費税の還付を受けたい場合などに使われます。いったん選ぶと、原則として2年間は免税事業者に戻れません。

5
2期目

特定期間の売上と給与が、どちらも1,000万円を超える

2期目は、1期目の最初の6か月(特定期間)の課税売上高が1,000万円を超えると、課税事業者になります。ただし、課税売上高の代わりに給与などの支払額の合計で判定することもできるため、給与などが1,000万円以下なら免税のままにできます。つまり、課税になるのはどちらも1,000万円を超える場合です。

2期目の判定に使う「特定期間」

特定期間は、原則として前事業年度(1期目)の開始の日から6か月の期間です。ただし、設立日や1期目の長さによって、次のように変わります。

1期目の状況2期目の特定期間
月の初日に設立し、1期目が8か月以上設立日から6か月間
例:5月1日設立・12月決算 → 5月1日〜10月31日
月の途中で設立した6か月の期間の末日が月末でなければ、その前月の末日までに短縮
例:4月15日設立・12月決算 → 4月15日〜9月30日
1期目が7か月以下特定期間なし(短期事業年度)
例:6月1日設立・12月決算 → 2期目は特定期間による判定がない
1期目が7か月超8か月未満6か月の期間の末日の翌日から1期目の末日までが2か月未満なら特定期間なし
例:5月31日設立・12月決算 → 短期事業年度に当たる

※決算日が月末の場合です。決算期を途中で変更した場合などは異なります(国税庁のリーフレットに事例があります)。

ポイント:1期目を7か月以下にすると、2期目は特定期間による判定がなくなります。ただし、1期目そのものが短くなるため、1期目と2期目を合わせた免税の期間も短くなります。決算月の決め方は「決算月の決め方」で、1期目の長さを比べられます。

3期目からは1期目の売上で判定

3期目の基準期間は1期目です。1期目の課税売上高が1,000万円を超えていれば、3期目は課税事業者になります。

1期目が1年に満たない場合は、1期目の課税売上高を1年分に換算して判定します(課税売上高÷1期目の月数×12。1か月に満たない端数は1か月とします)。

また、3期目は2期目の最初の6か月が特定期間になります。基準期間(1期目)の課税売上高が1,000万円以下でも、特定期間の売上と給与がどちらも1,000万円を超えると課税事業者になります。

インボイス登録との関係

インボイス(適格請求書)は、取引先が支払った消費税を差し引く(仕入税額控除)ために必要な請求書です。インボイスを発行できるのは、登録を受けた事業者だけで、登録を受けると免税事業者ではなくなります。

免税事業者からインボイス登録をした事業者向けに、売上にかかる消費税の2割を納める「2割特例」という負担軽減措置があります。ただし、使えるのは2026年9月30日を含む課税期間までです。2026年度の税制改正で新しくできた「3割特例」は個人事業者が対象で、会社は使えません。

注意:インボイスに登録するかどうかは、取引先が会社か消費者か、取引先がインボイスを必要としているかなどによって変わります。登録すれば消費税の申告・納税が必要になるため、取引先の状況と負担を比べて、税理士などに相談して決めましょう。

必要な届出

課税事業者になる場合は、税務署に届出が必要です。免税事業者のままなら、免税のための届出は必要ありません。

こんなとき届出書期限
資本金1,000万円以上で設立した(新設法人)消費税の新設法人に該当する旨の届出書
法人設立届出書に必要事項を書いて出せば、別に出す必要はありません
速やかに
特定新規設立法人に当たる消費税の特定新規設立法人に該当する旨の届出書速やかに
特定期間の判定で課税事業者になった消費税課税事業者届出書(特定期間用)速やかに
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えた消費税課税事業者届出書(基準期間用)速やかに
自分から課税事業者を選ぶ消費税課税事業者選択届出書原則、適用を受けたい課税期間の初日の前日まで
設立した期から選ぶ場合は、その期の末日まで

インボイスの登録は、「適格請求書発行事業者の登録申請書」で申請します。

設立後の手続きの期限もチェック設立日と決算月を入れるだけで、税務署・年金事務所などへの提出期限がわかる「手続き期限カレンダー」へ ›

よくある質問

免税事業者でも、請求書に消費税を書いて請求していいですか?
取引の価格は当事者どうしで決めるものです。ただし、免税事業者はインボイスを発行できないため、取引先がインボイスを必要としている場合は、価格や登録について話し合いが必要になることがあります。インボイスと誤認される書き方にならないよう注意しましょう。
1期目が免税なら、何も届け出なくていいですか?
消費税については、免税事業者のままなら届出は必要ありません。ただし、法人設立届出書などの法人税の届出は必要です。設立後の届出は「会社設立後にやることチェックリスト」で確認できます。
資本金を1,000万円未満にすれば、必ず2年間免税ですか?
必ずではありません。インボイス登録、特定新規設立法人、課税事業者選択届出書の提出、2期目の特定期間(売上と給与がどちらも1,000万円超)などで課税になる場合があります。上の判定ツールで目安を確認し、正式な判断は税務署や税理士にご相談ください。

参考にした公式情報

※この記事は一般的な情報と、公式サイトの掲載情報(2026年10月7日確認)をまとめたものです。税制は毎年の改正で変わることがあります。個別の判断は、税務署や税理士にご相談ください。