決算月の決め方
設立時に考えたいポイントと1期目の長さシミュレーター

最終確認日:2026年10月6日/国税庁・e-Gov法令検索などの公式情報をもとに作成

事業年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 決算

会社を作るときに、通常は定款で決める事業年度。その最後の月が決算月です。決算月は会社が自由に決められますが、1期目の長さや、決算・申告の時期、消費税の扱いなどに関わります。考え方のポイントを、公式情報をもとに整理しました。設立日を入れると、決算月ごとの1期目の長さを比べられるシミュレーターも用意しています。

この記事のポイント
決算月は
自由に決められる

通常は定款で定める。ただし事業年度は1年を超えられない

1期目の長さは
決算月で変わる

設立した月の前月を決算月にすると、1期目がいちばん長くなる

あとから
変更もできる

定款を変更し、税務署などに届け出る。登記は不要

決算月と事業年度の基本

事業年度は、会社の会計期間です。会社計算規則では、各事業年度の計算書類の作成期間は1年を超えることができないとされています(決算月を変更した後の最初の事業年度は1年6か月まで)。1期目は会社の成立の日(原則として、設立登記の申請が登記所で受け付けられた日)から始まり、決算月の末日で終わります。

決算月ごとの1期目の長さを比べる

1期目の長さシミュレーター設立日(予定日)を入れると、12通りの決算月を一覧で比べられます。行をタップすると詳細が表示されます。

※申告・納付期限は「事業年度終了の日の翌日から2か月以内」の原則で計算した日付です。期限が土日・祝日・年末(12月29日〜31日)にあたる場合は、休日明けの日が期限になります。申告期限の延長の特例を受けている場合は異なります。設立日は、原則として設立登記の申請が受け付けられた日です(2026年2月2日からは、条件を満たせば休日を設立日に指定することもできます)。入力した日付は保存・送信されません。

決算月を決めるときの5つの視点

1

繁忙期と決算・申告の時期を重ねない

決算月の後の約2か月は、決算書の作成や申告の準備が必要です。本業が忙しい時期と重なると負担が大きくなるので、繁忙期を避けて決算月を選ぶ考え方があります。税理士に依頼する場合は、依頼先の都合も聞いておくと安心です。

2

納税のタイミングと資金繰り

法人税や消費税は、原則として決算日の翌日から2か月以内に納めます。売上の入金が集中する時期や、大きな支払いが重なる時期を考えて、納税の時期に資金を用意しやすい決算月を選ぶ考え方もあります。

3

売上の波(季節性)

売上の多い時期が決算月の直前にあると、その期の業績が締めくくりまで読みにくくなります。売上のピークの後に決算月を置くと、1年の業績の見通しを立てやすい、という考え方もあります。

4

役員報酬を見直せる時期も決まる

毎月同じ額を支払う役員報酬(定期同額給与)は、原則として事業年度開始の日から3か月を経過する日までに改定する必要があります。決算月を決めると、役員報酬を見直せる時期も決まります。

5

1期目の長さと消費税

資本金1,000万円未満の新しい会社は、条件を満たせば1期目・2期目の消費税が免除されます。1期目の長さによって2期目の判定の仕方が変わることがあるため、次の章で詳しく説明します。

消費税の免税と1期目の長さの関係

資本金1,000万円未満で設立した会社は、基準期間(前々事業年度)がないため、原則として1期目・2期目は消費税の納税義務が免除されます。ただし、次のような場合は免除されません。

この「特定期間」は、原則として1期目の開始の日から6か月の期間です。ここで1期目の長さが関係します。

1期目が長い場合(例:12か月近く)

  • 1期目の最初の6か月が特定期間になり、2期目の判定に使われる
  • 特定期間の課税売上高と給与等の支払額がどちらも1,000万円を超えると、2期目は課税事業者になる

1期目が短い場合(7か月以下など)

  • 1期目が「短期事業年度」に当たると、1期目は特定期間にならない
  • ただし1期目そのものが短いので、1期目と2期目を合わせた期間は短くなる

「短期事業年度」とは、前事業年度が7か月以下の場合、または7か月を超え8か月未満で、前事業年度開始の日以後6か月の期間の末日の翌日から前事業年度終了の日までが2か月未満の場合をいいます(国税庁のリーフレットより)。設立日が月の途中の場合は、特定期間の末日の扱いに特例もあります。

注意:消費税の判定は、資本金・インボイス登録の有無・売上や給与の見込みなどによって変わり、ここで紹介したのは一部です。また、免税かどうかだけで決算月を決めると、ほかの視点(繁忙期・資金繰りなど)とのバランスを欠くことがあります。決める前に、税理士や税務署に相談することをおすすめします。

決算月をあとから変更するには

決算月は、設立後に変更することもできます。事業年度は登記事項ではないため、変更の登記は必要ありません。

定款を変更する決議

株式会社は株主総会の特別決議、合同会社は原則として総社員の同意

定款の事業年度を書き換える

変更後の事業年度を定款に反映します

税務署などに届け出る

税務署に「異動届出書」を提出。都道府県・市区町村にも届出が必要な場合があります

ポイント:決算月を変えると、変更前後の事業年度の長さや、消費税の特定期間の考え方が変わることがあります。変更を考えるときは、事前に税理士や税務署に確認しましょう。
決算月が決まったら、手続きの期限もチェック設立日と決算月を入れるだけで提出期限がわかる「手続き期限カレンダー」へ ›

よくある質問

設立した月を決算月にしてもいいですか?
できますが、事業年度は1年を超えられないため、設立日によっては1期目がその月の末日で終わり、とても短くなります。たとえば10月15日に設立して決算月を10月にすると、1期目は10月31日までです。上のシミュレーターで確認してみてください。
1期目を短くすると何か困ることはありますか?
1期目の決算と申告がすぐにやってくるため、設立直後の忙しい時期に決算作業が重なります。また、消費税が免除される場合でも、1期目と2期目を合わせた期間は短くなります。メリット・デメリットを比べて決めましょう。
決算月を変更したら、何を届け出ればいいですか?
定款を変更したうえで、税務署に「異動届出書」を提出します。都道府県・市区町村にも届出が必要な場合があるので、それぞれの窓口で確認してください。事業年度は登記事項ではないため、法務局での変更登記は必要ありません。
設立直後にやることをまとめて確認社会保険・税務署への届出まで、時期ごとに整理した「会社設立後にやることチェックリスト」へ ›

参考にした公式情報

※この記事は一般的な情報と、公式サイトの掲載情報(2026年10月6日確認)をまとめたものです。税制や手続きは変更されることがあります。個別の判断は、税理士や税務署などにご相談ください。