会社の消費税の基本
計算方法の選び方と、申告・中間申告の期限

最終確認日:2026年10月13日/国税庁・内閣官房の公式情報をもとに作成

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売上げで 預かった消費税 お客さんから − 仕入れ・経費で 支払った消費税 取引先へ = 納める 消費税
※一般課税の場合。簡易課税・2割特例は計算のしかたが違います

会社が消費税を納める「課税事業者」になると、毎年、消費税の確定申告と納付が必要になります。納める税額の計算方法は1つではなく、一般課税・簡易課税・2割特例のどれを使うかで、税額も手間も変わります。この記事では、消費税のしくみと3つの計算方法、確定申告と中間申告の期限を、国税庁の公式情報をもとに整理しました。売上と経費を入れると、計算方法ごとの納税額の目安がわかる試算ツールもあります。

設立したばかりで「そもそも消費税を納める必要があるか」を知りたい方は、先に「会社の消費税はいつから?」をご覧ください。

この記事のポイント
預かった税から
払った税を引く

一般課税の基本の考え方

計算方法は
3通り

一般課税・簡易課税・2割特例

申告・納付は
決算後2か月以内

税額が多いと中間申告も

消費税のしくみと税率

消費税は、商品やサービスの代金に上乗せしてお客さんから預かり、会社がまとめて国に納める税金です。会社自身も仕入れや経費の支払いで消費税を払っているので、一般課税では、預かった消費税から払った消費税を差し引いた残りを納めます。

標準税率軽減税率
税率(合計)10%8%
内訳消費税7.8%+地方消費税2.2%消費税6.24%+地方消費税1.76%
対象軽減税率の対象以外飲食料品(酒類・外食を除く)、週2回以上発行される新聞の定期購読

飲食料品の税率は、法案が成立すれば、2027年(令和9年)4月から2年間、1%に引き下げられる予定です(詳しくは後述)。

出典:国税庁「No.6303 消費税及び地方消費税の税率」

納める税額の3つの計算方法

一般課税(本則課税)

売上げの消費税 − 仕入れ・経費の消費税

実際に払った消費税を差し引く、原則の方法です。差し引くには、原則としてインボイス(適格請求書)などと帳簿の保存が必要です。インボイス発行事業者ではない相手(免税事業者など)からの仕入れは、一定の要件のもとで、2026年10月1日からの2年間は仕入税額相当額の70%を差し引けます(その後、50%・30%と段階的に縮小し、2031年10月1日以後は差し引けません)。

大きな設備投資をした年など、仕入れ・経費で払った消費税のほうが多いときに差額の還付を受けられるのは、3つのうち一般課税だけです。

簡易課税

売上げの消費税 − 売上げの消費税 × みなし仕入率

仕入れや経費の消費税を、業種ごとに決まった「みなし仕入率」で計算する方法です。実際の仕入れのインボイスを集計しなくてよいので、計算が簡単です。使えるのは基準期間(原則として前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下で、事前に届出書を出した会社です。

2割特例

売上げの消費税 × 20%

インボイス登録をしなければ免税事業者だった会社(基準期間の課税売上高が1,000万円以下など)が使える特例です。資本金1,000万円以上の新設法人などは使えません。事前の届出は不要で、確定申告書に付記すれば使えます。法人が使えるのは2026年9月30日を含む課税期間までです(たとえば3月決算の会社なら、2026年4月〜2027年3月の事業年度まで)。個人事業者向けの「3割特例」は、法人は使えません。

簡易課税のみなし仕入率は、次のとおりです。

事業区分主な業種みなし仕入率
第1種卸売業90%
第2種小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡)80%
第3種農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡以外)、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業70%
第4種第1・2・3・5・6種以外(飲食店業など)60%
第5種運輸通信業、金融業・保険業、サービス業(飲食店業を除く)50%
第6種不動産業40%

出典:国税庁「No.6496 仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存」「No.6505 簡易課税制度」「令和8年度税制改正特集」「2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要」

納税額の試算ツール

消費税の納税額 試算ツール1年間の売上と経費(どちらも税抜)、業種を入れると、計算方法ごとの納税額の目安を表示します。
1年間の課税売上高(税抜)
消費税がかかる売上の合計です。
1年間の課税仕入れ・経費(税抜)
消費税がかかる仕入れ・外注費・家賃・備品などの合計です。給与や社会保険料、住宅の家賃などは含めません。
業種(簡易課税の事業区分)

※すべて税率10%として、消費税と地方消費税の合計額を概算しています。実際の申告では、消費税(国税)を計算してから地方消費税を計算し、端数処理なども行うため、金額は少し変わります。軽減税率の取引、インボイスのない仕入れ、複数の業種がある場合などは考慮していません。正式な税額は税理士や税務署にご確認ください。入力内容は保存・送信されません。

簡易課税を選ぶときの注意点

還付を受けたいときは要注意:簡易課税では、払った消費税が多くても還付は受けられません。大きな設備投資を予定している場合などは、届出の前に一般課税との差を確認しましょう。

出典:国税庁「No.6505 簡易課税制度」「No.6629 消費税の各種届出書」「D1-22 消費税簡易課税制度選択届出手続」

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確定申告と納付の期限

会社の消費税の確定申告書は、課税期間(通常は事業年度)の終了の日の翌日から2か月以内に、納税地の所轄税務署長に提出し、同じ期限までに納付します。3月決算の会社なら、5月31日が期限です。期限が土日・祝日などに当たるときは、その翌日(休日明けの日)が期限になります。

申告期限を1か月延ばせる場合:法人税の「申告期限の延長の特例」を受けている会社は、「消費税申告期限延長届出書」を出すと、消費税の確定申告の期限も1か月延長されます。届出書は、適用を受けたい事業年度の終了の日の属する課税期間の末日までに出します。延長された期間の分は、利子税をあわせて納める必要があります。

出典:国税庁「No.6601 申告と納税」「No.6610 法人に係る消費税の確定申告書の提出期限について」「D1-2 消費税申告期限延長届出手続」、e-Gov法令検索「国税通則法」第10条第2項

中間申告のしくみ

前の課税期間の消費税額が一定額を超えると、次の課税期間の途中で中間申告と納付が必要になります。回数は、直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含まない、国税の部分の年税額)で決まります。

直前の課税期間の
確定消費税額(国税)
中間申告の回数1回あたりの納付額
(直前の課税期間が12か月の場合)
48万円以下原則不要(届出をすれば、任意で年1回できる)—
48万円超〜400万円以下年1回確定消費税額の6/12
400万円超〜4,800万円以下年3回確定消費税額の3/12
4,800万円超年11回確定消費税額の1/12

出典:国税庁「No.6609 中間申告の方法」「No.6611 任意の中間申告制度」

2027年4月からの飲食料品の税率引下げ(法案)

国会で審議中

政府は2026年10月9日、飲食料品の消費税率を臨時に引き下げる法律案を閣議決定し、国会に提出しました(2026年10月13日時点で、成立は確認できていません)。以下は、法案が成立した場合の予定で、国税庁が公表している内容です。

飲食料品を扱う会社は、レジや請求書の税率設定、簡易課税を続けるかどうかなどの準備が必要になります。法案の審議で内容が変わる可能性もあるので、国税庁の特設サイトで最新情報を確認してください。

出典:内閣官房「『飲食料品に係る消費税率の引下げ』及び『給付付き税額控除』について」、国税庁「消費税率引下げ特設サイト」「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて(リーフレット、令和8年9月)」

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よくある質問

一般課税と簡易課税、どちらが得ですか?
売上に対する、消費税がかかる仕入れ・経費の割合が、業種の「みなし仕入率」より高ければ一般課税、低ければ簡易課税のほうが納税額は少なくなります(税率がすべて10%で、仕入れ・経費のインボイスがそろっている場合)。たとえばサービス業(みなし仕入率50%)で、消費税がかかる経費が売上の3割程度なら、簡易課税のほうが少なくなります。ただし、簡易課税は2年間やめられず、還付も受けられないので、設備投資の予定なども含めて判断しましょう。上の試算ツールで目安を確認できます。
2割特例を使うのに届出は必要ですか?
事前の届出は不要です。確定申告書に2割特例を適用する旨を付記すれば使えます。ただし、法人が使えるのは2026年9月30日を含む課税期間までです。その次の課税期間から簡易課税に切り替える場合は、その課税期間の確定申告期限までに簡易課税の届出書を出せば間に合います。
赤字の年でも消費税は納めますか?
はい。消費税は利益ではなく、売上げで預かった消費税と、仕入れ・経費で払った消費税をもとに計算するので、法人税が0円の赤字の年でも、納める消費税が出ることがあります。納付に備えて、預かった消費税の分は資金を残しておくと安心です。
給与や社会保険料は、仕入れ・経費の消費税に入りますか?
入りません。給与、社会保険料、土地の購入、住宅の家賃などは消費税がかからない取引なので、差し引ける消費税はありません。

参考にした公式情報

※この記事は一般的な情報と、公式サイトの掲載情報(2026年10月13日確認)をまとめたものです。税制は毎年の改正で変わることがあり、飲食料品の税率引下げは国会で審議中の法案の内容です。個別の判断は、税務署や税理士にご相談ください。