社長1人の会社の年末調整
役員報酬だけでも必要?流れと期限
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年末調整は、毎月の給与から差し引いた所得税の合計と、1年間に納めるべき所得税との差を精算する手続きです。国税庁は対象を「役員または使用人」としていて、社長1人の会社でも、役員報酬を払っていれば年末調整をします。この記事では、12月から翌年1月31日までの流れと期限、令和8年分の改正点を、国税庁の公式情報をもとにまとめました。
年末調整は必要
役員報酬も給与として扱う
源泉徴収票と報告書
社長に交付し、市区町村に提出
基礎控除が上がる
12月1日施行で年末調整に反映
年末調整の対象になる人
| 対象になる人 | 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に出していて、1年を通じて勤務している人など。役員も対象です |
|---|---|
| 対象にならない人 | その年の給与の総額が2,000万円を超える人、扶養控除等申告書を出していない人など。これらの人は自分で確定申告をします |
| いつ行うか | その年の最後の給与(役員報酬)を支払う時。毎月払っている会社なら、通常は12月の支払時です |
出典:国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」「No.2662 年末調整の手順と源泉徴収票の作成」、所得税法第190条
12月から1月31日までの流れ
- 12月の
支払前社長自身が申告書を書く年初に出した扶養控除等申告書の内容を確認し、「基礎控除申告書(兼 配偶者控除等申告書など)」と「保険料控除申告書」を書きます。社長1人の会社では、書く人も受け取る人も社長です。 - 最後の
役員報酬年税額を計算して、過不足を精算する1年分の役員報酬から年税額を計算し、毎月差し引いた所得税の合計との差を、最後の支払で精算します(多すぎた分は返し、足りない分は差し引く)。 - 1月10日源泉所得税を納める12月分として、翌月10日までに納めます。納期の特例を受けていれば、7〜12月分をまとめて1月20日までに納めます。
- 1月31日源泉徴収票を交付し、給与支払報告書を出す社長に源泉徴収票を交付し、社長が住んでいる市区町村に「給与支払報告書」を提出します。
出典:国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」「No.2505」「No.7411」、所得税法第190条・第226条、地方税法第317条の6
出典:国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ」「源泉徴収票(給与所得・公的年金等)のみなし提出の特例に関するQ&A(令和8年4月)」
令和8年分の改正点
令和8年度税制改正で、基礎控除と給与所得控除の最低保障額が引き上げられました。令和8年12月1日に施行され、12月に行う年末調整に反映されます。
| 項目 | 令和8年分 |
|---|---|
| 基礎控除 | 合計所得金額489万円以下:104万円 489万円超655万円以下:67万円 655万円超2,350万円以下:62万円 2,350万円を超えると段階的に減り、2,500万円超は0円 |
| 給与所得控除 | 最低保障額が74万円に(令和7年分は65万円) |
| そのほか | 扶養親族などの所得要件の改正、23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例の創設 |
出典:国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」「No.1199 基礎控除」「No.1410 給与所得控除」
出典:国税庁「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A(令和8年5月)」
年末調整チェッカー
※一般的な目安です。国税の期限が土曜・日曜・祝日などに当たる場合は翌日、地方税(給与支払報告書)も同様に翌日になる扱いで表示しています(祝日は内閣府が公表している2027年分まで反映)。入力内容は保存・送信されません。
社長1人の会社で気をつけたいこと
扶養控除等申告書を出しておく
年末調整の対象になるのは、扶養控除等申告書を出している人です。社長自身の分も、その年の最初の役員報酬を受ける日の前日までに書いて、会社で保管しておきます。
小規模企業共済やiDeCoは年末調整で控除できる
社長が個人で払っている小規模企業共済やiDeCoの掛金は、保険料控除申告書に書けば、年末調整で控除できます。生命保険料・地震保険料も同じ申告書で控除します。
医療費控除やふるさと納税は確定申告で
医療費控除や寄附金控除(ワンストップ特例を使わないふるさと納税など)は、年末調整では受けられません。受けるには、社長本人が確定申告をします。
給与支払報告書は社長の住所地へ
給与支払報告書は、会社の所在地ではなく、1月1日時点で社長が住んでいる市区町村に出します。給与支払報告書は、社長の住民税の計算に使われます。
出典:国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」「ふるさと納税をされた方へ」、地方税法第317条の6
年末調整を楽にするサービス
年税額の計算や源泉徴収票・給与支払報告書の作成は、給与計算ソフトを使うとまとめてできます。決算と合わせて税理士に任せる方法もあります(社長1人の会社に税理士は必要?)。
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よくある質問
役員報酬を払っていない年も年末調整は必要ですか?
年末調整で納めすぎた税金はどうなりますか?
源泉徴収票は税務署にも出しますか?
年末調整をしたら、社長は確定申告をしなくていいですか?
あわせて読みたい
参考にした公式情報
- 国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」
- 国税庁「No.2662 年末調整の手順と源泉徴収票の作成」
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた(手順などの説明)」
- 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」(同ページの「Q&A(令和8年5月)」を含む)
- 国税庁「No.1199 基礎控除」
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」
- 国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ」(同ページのQ&Aを含む)
- 国税庁「No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等」
- 国税庁「No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」
- 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
- 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
- 国税庁「ふるさと納税をされた方へ」
- 所得税法(e-Gov法令検索)(第190条 年末調整、第226条 源泉徴収票)
- 地方税法(e-Gov法令検索)(第20条の5 期限の特例、第317条の6 給与支払報告書)
- 内閣府「国民の祝日について」
※この記事は一般的な情報と、公式サイトの掲載情報(2026年10月19日確認)をまとめたものです。個別の取扱いは、税務署・市区町村や税理士にご確認ください。