社長1人の会社の年末調整
役員報酬だけでも必要?流れと期限

最終確認日:2026年10月19日/国税庁などの公式情報をもとに作成(令和8年分の改正に対応)

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12月 最後の役員報酬で 年税額を精算 1月10日 (納期の特例は1月20日) 源泉所得税を納付 1月31日 源泉徴収票の交付 給与支払報告書 社長1人でも、役員報酬を払っていれば必要

年末調整は、毎月の給与から差し引いた所得税の合計と、1年間に納めるべき所得税との差を精算する手続きです。国税庁は対象を「役員または使用人」としていて、社長1人の会社でも、役員報酬を払っていれば年末調整をします。この記事では、12月から翌年1月31日までの流れと期限、令和8年分の改正点を、国税庁の公式情報をもとにまとめました。

この記事のポイント
社長1人でも
年末調整は必要

役員報酬も給与として扱う

1月31日までに
源泉徴収票と報告書

社長に交付し、市区町村に提出

令和8年分は
基礎控除が上がる

12月1日施行で年末調整に反映

年末調整の対象になる人

対象になる人「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に出していて、1年を通じて勤務している人など。役員も対象です
対象にならない人その年の給与の総額が2,000万円を超える人、扶養控除等申告書を出していない人など。これらの人は自分で確定申告をします
いつ行うかその年の最後の給与(役員報酬)を支払う時。毎月払っている会社なら、通常は12月の支払時です

出典:国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」「No.2662 年末調整の手順と源泉徴収票の作成」、所得税法第190条

12月から1月31日までの流れ

  1. 12月の
    支払前
    社長自身が申告書を書く年初に出した扶養控除等申告書の内容を確認し、「基礎控除申告書(兼 配偶者控除等申告書など)」と「保険料控除申告書」を書きます。社長1人の会社では、書く人も受け取る人も社長です。
  2. 最後の
    役員報酬
    年税額を計算して、過不足を精算する1年分の役員報酬から年税額を計算し、毎月差し引いた所得税の合計との差を、最後の支払で精算します(多すぎた分は返し、足りない分は差し引く)。
  3. 1月10日
    源泉所得税を納める12月分として、翌月10日までに納めます。納期の特例を受けていれば、7〜12月分をまとめて1月20日までに納めます。
  4. 1月31日
    源泉徴収票を交付し、給与支払報告書を出す社長に源泉徴収票を交付し、社長が住んでいる市区町村に「給与支払報告書」を提出します。

出典:国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」「No.2505」「No.7411」、所得税法第190条・第226条、地方税法第317条の6

令和9年1月から、源泉徴収票の出し方が変わります:令和9年1月1日以後(令和8年分以後)は、市区町村に給与支払報告書を出せば、税務署に源泉徴収票を出したものとみなされます。税務署提出用の源泉徴収票を作る必要はなくなり、それに合わせて「法定調書合計表」の提出もいらなくなります。ただし、税理士報酬の支払調書など、ほかの法定調書を税務署に出す場合は、合計表を出します。社長への源泉徴収票の交付は、これまでどおり必要です。

出典:国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ」「源泉徴収票(給与所得・公的年金等)のみなし提出の特例に関するQ&A(令和8年4月)」

令和8年分の改正点

令和8年度税制改正で、基礎控除と給与所得控除の最低保障額が引き上げられました。令和8年12月1日に施行され、12月に行う年末調整に反映されます。

項目令和8年分
基礎控除合計所得金額489万円以下:104万円
489万円超655万円以下:67万円
655万円超2,350万円以下:62万円
2,350万円を超えると段階的に減り、2,500万円超は0円
給与所得控除最低保障額が74万円に(令和7年分は65万円)
そのほか扶養親族などの所得要件の改正、23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例の創設

出典:国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」「No.1199 基礎控除」「No.1410 給与所得控除」

11月30日以前に最後の給与を払うと:令和8年11月30日以前に年末調整を行った場合は、改正後の控除が反映されません。改正後の控除を受けるには、本人が確定申告をします。役員報酬を毎月払い、12月にも払う会社なら、12月の年末調整で反映されます。

出典:国税庁「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A(令和8年5月)」

年末調整チェッカー

社長1人の会社の年末調整チェッカー質問に答えると、年末調整が必要か、いつまでに何をするか、確定申告もしたほうがいいかを表示します。
1. 今年、役員報酬(給与)を支払いましたか?
2. 今年の役員報酬の総額は?
3. 社長は会社に「扶養控除等(異動)申告書」を出していますか?
4. 今年最後に役員報酬を支払う日
5. 源泉所得税の納期の特例を受けていますか?
6. 医療費控除や、ふるさと納税(ワンストップ特例を使わない)の控除を受けたいですか?

※一般的な目安です。国税の期限が土曜・日曜・祝日などに当たる場合は翌日、地方税(給与支払報告書)も同様に翌日になる扱いで表示しています(祝日は内閣府が公表している2027年分まで反映)。入力内容は保存・送信されません。

社長1人の会社で気をつけたいこと

扶養控除等申告書を出しておく

年末調整の対象になるのは、扶養控除等申告書を出している人です。社長自身の分も、その年の最初の役員報酬を受ける日の前日までに書いて、会社で保管しておきます。

小規模企業共済やiDeCoは年末調整で控除できる

社長が個人で払っている小規模企業共済やiDeCoの掛金は、保険料控除申告書に書けば、年末調整で控除できます。生命保険料・地震保険料も同じ申告書で控除します。

医療費控除やふるさと納税は確定申告で

医療費控除や寄附金控除(ワンストップ特例を使わないふるさと納税など)は、年末調整では受けられません。受けるには、社長本人が確定申告をします。

給与支払報告書は社長の住所地へ

給与支払報告書は、会社の所在地ではなく、1月1日時点で社長が住んでいる市区町村に出します。給与支払報告書は、社長の住民税の計算に使われます。

出典:国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」「ふるさと納税をされた方へ」、地方税法第317条の6

年末調整を楽にするサービス

年税額の計算や源泉徴収票・給与支払報告書の作成は、給与計算ソフトを使うとまとめてできます。決算と合わせて税理士に任せる方法もあります(社長1人の会社に税理士は必要?)。

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出典:税理士ドットコム公式サイト(税理士紹介ページ、「よくある質問」)

よくある質問

役員報酬を払っていない年も年末調整は必要ですか?
給与(役員報酬)を払っていなければ、年末調整をする給与がないため、年末調整はありません。
年末調整で納めすぎた税金はどうなりますか?
最後の役員報酬を払う時に、差額を社長に返します。返した分は、その月に納める源泉所得税から差し引きます。
源泉徴収票は税務署にも出しますか?
令和8年分(令和9年1月以後に出すもの)からは、市区町村に給与支払報告書を出せば、税務署に出したものとみなされます。社長への交付はこれまでどおり必要です。
年末調整をしたら、社長は確定申告をしなくていいですか?
給与所得者の多くは不要です。ただし、給与以外の所得が20万円を超える場合や、同族会社の役員で、会社から貸付金の利子や資産の賃貸料(自宅の一部を会社に貸している場合の家賃など)を受け取っている場合は、確定申告が必要です(国税庁「No.1900」)。医療費控除などを受けたい場合も確定申告をします。

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参考にした公式情報

※この記事は一般的な情報と、公式サイトの掲載情報(2026年10月19日確認)をまとめたものです。個別の取扱いは、税務署・市区町村や税理士にご確認ください。