これって経費になる?
会社の経費の判断ガイド(判定ツール付き)
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会社を作ると、「これは経費で落とせる?」と迷う場面が増えます。税金の計算で経費として認められるもの(損金)には、法律や国税庁の取り扱いでルールが決まっているものがあります。会社(法人)がよく迷う支出について、原則・条件・注意点を公式情報をもとに整理しました。金額を入れるだけの判定ツールも用意しています。
その年の経費に
中小企業は条件を満たせば40万円未満まで(2026年4月〜)
ものもある
法人税・住民税、罰金、ルール外の役員報酬など
専門家に確認
使い方や金額で判断が変わるものも多い
ひと目でわかる早見表
10万円未満なら一度に経費。中小企業は40万円未満まで特例あり
交際費になる。1人1万円以下などの例外あり
毎月同じ額などのルールを守れば経費
業務のために使った分
事業税・固定資産税などはなる。法人税・住民税はならない
法人税法で決められている
パソコン・家具など備品の判定ツール
※「1つあたり」は、通常1単位として取引される単位で判定します(例:応接セットは1組、カーテンは1部屋分)。金額は、会社の消費税の経理方式(税込経理・税抜経理)に合わせて判定します。「中小企業者等」は資本金1億円以下などの条件があり、2026年4月1日以後に取得したものは常時使用する従業員数400人以下の会社が対象です(大規模法人に支配されている会社などは対象外)。通算法人などは対象外です。特例を使うには、損金経理をしたうえで、確定申告書に明細書(別表16(7))を添付する必要があります。貸付用の資産は対象外です。入力内容は保存・送信されません。
飲食代の判定ツール
※1人あたりの金額は、飲食の費用の合計を参加した人数で割った金額です。判断の目安であり、実際の扱いは内容や状況によって異なることがあります。入力内容は保存・送信されません。
項目別の解説
パソコン・家具などの備品金額しだい
長く使う備品(減価償却資産)は、原則として何年かに分けて経費にしますが、金額が小さいものには特例があります。
中小企業者等の特例は、2026年4月1日以後に取得したものから「30万円未満」が「40万円未満」に引き上げられ、適用期限が3年延長されました。それより前に取得したものは30万円未満が対象です。特例を使うには、損金経理をしたうえで、確定申告書に明細書(別表16(7))を添付する必要があります。
出典:国税庁「No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」「令和8年度 法人税関係法令の改正の概要」
取引先との飲食・会議・社内の行事条件つき
取引先などへの接待・贈答の費用は交際費等になり、経費にできる額に上限があります。資本金1億円以下の中小法人(資本金5億円以上の法人の100%子会社などを除く)は、次のどちらかを選べます。
- 交際費等のうち、年800万円(事業年度が1年未満なら月割)までを経費にする(期限付きの特例)
- 接待のための飲食費の50%を経費にする
ただし、次のようなものは交際費等から除かれます。
- 1人あたり1万円以下の飲食費(2024年4月1日以後の支出。社内の人だけの飲食は対象外)。日付、参加者の氏名と関係、人数、金額、お店の名前などを書いた書類の保存が必要
- 会議に関連して出す茶菓・弁当などで、通常必要な程度のもの
- 従業員の慰安のための運動会・演芸会・旅行などで、通常必要な費用
出典:国税庁「No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算」「令和6年度 法人税関係法令の改正の概要」
役員報酬条件つき
社長など役員に払う給与(退職金や、使用人を兼ねる役員の使用人分などを除く)は、次のいずれかに当たるものだけが経費になります。
- 定期同額給与:1か月以下の一定の期間ごとに払い、各回の金額が同じもの
- 事前確定届出給与:決まった時期に決まった額を払うことを、事前に税務署に届け出たもの
- 業績連動給与:一定の条件を満たす、業績に連動した給与(同族会社は原則として対象外)
定期同額給与の金額を変えられるのは、原則として事業年度開始の日から3か月以内などに限られます。途中で勝手に増額・減額すると、一部が経費にならないことがあります。
出典:国税庁「No.5211 役員に対する給与」、法人税法第34条
業務の高速代・交通費原則なる
業務のために使った高速代や電車代などは、会社の事業のための費用なので、原則として経費になります。ただし、私用の移動の分は経費になりません。社用車の高速代は、誰がいつどこを使ったかがわかる明細を残しておくと、経費の説明がしやすくなります。
出典:法人税法第22条(各事業年度の損金の額)
税金種類しだい
会社が払う税金のうち、次のものは経費になりません。
- 法人税・地方法人税・都道府県民税・市町村民税の本税
- 加算税・加算金・延滞税・延滞金など(一部の延滞金を除く)
一方、事業税、事業所税、不動産取得税、自動車税、固定資産税、都市計画税などは、原則として経費になります。経費にする時期は税金の種類によって異なります。
出典:国税庁「No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期」
罰金・科料・過料ならない
会社が払う罰金・科料(通告処分によるこれらに相当するものを含む)と過料は、法人税法で経費にしないと決められています。
出典:法人税法第55条、国税庁「No.5300」
よくある質問
12万円のパソコンを買いました。全額その年の経費にできますか?
社員だけの飲み会は、1人1万円以下なら交際費になりませんか?
役員報酬を途中で上げたら、どうなりますか?
法人税は経費になりますか?
参考にした公式情報
- 国税庁「No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」
- 国税庁「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
- 国税庁「令和8年度 法人税関係法令の改正の概要」主な中小企業税制の見直し(PDF)
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」
- 国税庁「No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算」
- 国税庁「令和6年度 法人税関係法令の改正の概要」交際費等の損金不算入制度の見直し(PDF)
- 国税庁「No.5211 役員に対する給与」
- 国税庁「No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期」
- e-Gov法令検索「法人税法」(第22条・第34条・第55条)
※この記事は一般的な情報と、公式サイトの掲載情報(2026年10月6日確認)をまとめたものです。税制は毎年のように改正されます。実際の処理は、最新の情報を確認のうえ、税理士や税務署にご相談ください。