法人成りのタイミングは?
個人事業から会社にする目安と、税金・手続きの違い

最終確認日:2026年10月18日/国税庁・総務省などの公式情報をもとに作成

本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

個人事業 所得税の税率 5〜45% → 法人 法人税の税率(年800万円以下) 15%

事業が軌道に乗ってくると、「そろそろ会社にしたほうがいいのか」と考える個人事業主は多いと思います。個人事業から会社にすることを法人成り(法人化)といいます。所得税と法人税は税率のしくみが違うため、利益が増えるほど法人の方が有利になる場面がありますが、社会保険や赤字でもかかる税金など、法人ならではの負担もあります。この記事では、国税庁などの公式情報をもとに、判断の目安と手続きの流れをまとめました。

この記事のポイント
税率のしくみが
違う

所得税は段階的に上がり、法人税は15%から

法人ならではの
負担もある

社会保険・均等割・税理士の費用など

手続きは
設立と廃業届

会社の届出と、個人事業の廃業届

個人と法人の税率の違い

個人事業の所得税は、所得が増えるほど税率が上がる累進課税(5〜45%)。法人税は、中小法人(資本金1億円以下など)なら年800万円以下の部分が15%、それを超える部分が23.2%。

課税される所得金額所得税の税率住民税(所得割)を足すと
195万円未満5%15%
195万円〜330万円未満10%20%
330万円〜695万円未満20%30%
695万円〜900万円未満23%33%
900万円〜1,800万円未満33%43%
1,800万円〜4,000万円未満40%50%
4,000万円以上45%55%
法人税の税率(中小法人):年800万円以下の部分は15%、800万円を超える部分は23.2%です。個人と違い、所得がいくら増えても税率は2段階です。
詳しく見る

上の表の税率は、その所得帯に入った部分にかかる税率です(所得全体にかかるわけではありません)。所得税には、このほかに復興特別所得税(令和8年分は所得税額の2.1%)がかかります。住民税の所得割は、所得の10%(道府県民税4%・市町村民税6%)です。住民税は差し引ける控除の額が所得税と少し違うため、表の「住民税を足すと」の欄は目安です。個人事業税は、法律で決められた業種の事業にかかり、事業主控除(年290万円)を差し引いた所得に、業種に応じて3〜5%がかかります。法人にも、法人税のほかに法人住民税や法人事業税などがかかります。

出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」「No.5759 法人税の税率」、総務省「個人住民税」、島根県「個人事業税」

法人にすると変わること

社長の収入が「給与」になる

会社から役員報酬を受け取ると、社長個人は給与所得控除を差し引ける。役員報酬は、決まったルールで支払えば会社の経費(損金)になる。

詳しく見る

給与所得控除は、給与の収入金額に応じて決まる控除です(令和8年分・令和9年分は最低74万円)。役員報酬は、原則として毎月同じ額にする必要があります。くわしくは「役員報酬の決め方」で解説しています。

赤字を繰り越せる期間が長い

青色申告なら、個人事業の赤字(純損失)は3年、法人の赤字(欠損金)は10年繰り越せる。

詳しく見る

法人で欠損金を繰り越すには、赤字の事業年度に青色申告をしていることが必要です。会社の青色申告の承認申請には期限があるので、「法人の青色申告」で確認しましょう。

社長1人でも社会保険に入る

法人は、報酬を受け取る役員が1人だけでも、健康保険・厚生年金保険の加入対象になる。保険料は会社と本人の両方で負担する。

詳しく見る

個人事業のときの国民健康保険・国民年金から切り替わります。保険料の目安は「社長1人の会社の社会保険」の計算ツールで確認できます。

赤字でもかかる税金と、運営の費用

法人住民税の均等割は、赤字でもかかる。設立の費用や、決算・申告を税理士に頼む場合はその費用もかかる。

詳しく見る

均等割の金額は「均等割とは」、設立にかかる費用は「株式会社と合同会社の違い」の計算ツール、税理士に頼むかどうかは「社長1人の会社に税理士は必要?」で解説しています。設立の仕方によっては、設立1期目・2期目に消費税が免税になる場合もあります(「会社の消費税はいつから?」)。

出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」「No.5211 役員に対する給与」「No.2070 青色申告制度」「No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」、日本年金機構「適用事業所と被保険者」、総務省「法人住民税」

法人成りを考えるチェッカー

法人成りを考えるチェッカー4つの質問に答えると、税率の違いと、確認しておきたいことを表示します。
1. 個人事業の「課税される所得金額」の見込みは?
確定申告書で、所得から各種の控除を差し引いた後の金額です。
2. 取引先から、法人であることを求められていますか?
3. 社会保険(健康保険・厚生年金)の保険料を、会社と本人で負担できそうですか?
4. 決算・申告を自分でするか、税理士に頼む予算はありますか?

※税率だけで比べた一般的な目安です。実際の税額は、社長の役員報酬の額、社会保険料、法人住民税・事業税などで変わります。法人成りを決める前に、税理士などに試算してもらいましょう。回答内容は保存・送信されません。

法人成りの手続きの流れ

1会社を設立する定款を作り、設立の登記をする
2会社の届出をする税務署・都道府県・市区町村・年金事務所など
3個人事業の廃業届を出す廃業した年分の確定申告期限まで
詳しく見る

個人事業をやめるときは、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を出します。国税庁は、提出時期を「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」としています。会社を設立した後の届出の期限は、「会社設立後にやることチェックリスト」にまとめています。

出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」

法人成りの相談先

法人成りで税金がどのくらい変わるかは、役員報酬の決め方や社会保険料によって変わります。決める前に、専門家に試算してもらうのが確実です。

税理士法人 経営サポートプラスアルファ
税理士法人 経営サポートプラスアルファ(広告)
  • 会社設立・法人化の相談を受けている税理士法人。相談は何度でも無料で、池袋の事務所かオンライン(Zoom)で受けられる
  • 個人事業のままがよいか法人にするかを、面談で税金を試算して相談できる
  • 設立の代行費用を「実質0円」としているが、顧問契約(月額22,000円)を頼むことが前提
経営サポートプラスアルファの公式サイトを見る ›

出典:税理士法人経営サポートプラスアルファ「会社設立」ページ(2026年10月18日確認)

顧問の税理士を探すなら税理士にしかできない仕事や、探し方・契約前の確認ポイントは「社長1人の会社に税理士は必要?」へ ›

よくある質問

法人成りすれば、必ず税金が安くなりますか?
必ずではありません。法人税の税率は所得税より低い所得帯がありますが、法人になると社会保険料、赤字でもかかる法人住民税の均等割、設立や税理士の費用などが増えます。所得の額や役員報酬の決め方によって結果が変わるので、事前に試算しましょう。
株式会社と合同会社、どちらで法人成りするのがいいですか?
設立費用や運営のルールが違います。設立費用は合同会社の方が安く、株式での資金調達や上場をめざすなら株式会社です。くわしくは「株式会社と合同会社の違い」で比べています。
個人事業の廃業届はいつまでに出しますか?
国税庁は、個人事業の開業・廃業等届出書の提出時期を「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」としています。法人成りで個人事業をやめた場合も、この届出書を提出します。
個人事業税はどんな事業にかかりますか?
物品販売業や製造業など、法律で決められた業種の事業にかかります。事業主控除(年290万円)などを差し引いた所得に、業種に応じて3〜5%の税率がかかります。くわしくは、事業を行っている都道府県の案内を確認しましょう。

参考にした公式情報

※この記事は一般的な情報と、公式サイトの掲載情報(2026年10月18日確認)をまとめたものです。個別の税額の試算や判断については、税理士や税務署に確認してください。