法人成りのタイミングは?
個人事業から会社にする目安と、税金・手続きの違い
本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。
事業が軌道に乗ってくると、「そろそろ会社にしたほうがいいのか」と考える個人事業主は多いと思います。個人事業から会社にすることを法人成り(法人化)といいます。所得税と法人税は税率のしくみが違うため、利益が増えるほど法人の方が有利になる場面がありますが、社会保険や赤字でもかかる税金など、法人ならではの負担もあります。この記事では、国税庁などの公式情報をもとに、判断の目安と手続きの流れをまとめました。
違う
所得税は段階的に上がり、法人税は15%から
負担もある
社会保険・均等割・税理士の費用など
設立と廃業届
会社の届出と、個人事業の廃業届
個人と法人の税率の違い
個人事業の所得税は、所得が増えるほど税率が上がる累進課税(5〜45%)。法人税は、中小法人(資本金1億円以下など)なら年800万円以下の部分が15%、それを超える部分が23.2%。
| 課税される所得金額 | 所得税の税率 | 住民税(所得割)を足すと |
|---|---|---|
| 195万円未満 | 5% | 15% |
| 195万円〜330万円未満 | 10% | 20% |
| 330万円〜695万円未満 | 20% | 30% |
| 695万円〜900万円未満 | 23% | 33% |
| 900万円〜1,800万円未満 | 33% | 43% |
| 1,800万円〜4,000万円未満 | 40% | 50% |
| 4,000万円以上 | 45% | 55% |
詳しく見る
上の表の税率は、その所得帯に入った部分にかかる税率です(所得全体にかかるわけではありません)。所得税には、このほかに復興特別所得税(令和8年分は所得税額の2.1%)がかかります。住民税の所得割は、所得の10%(道府県民税4%・市町村民税6%)です。住民税は差し引ける控除の額が所得税と少し違うため、表の「住民税を足すと」の欄は目安です。個人事業税は、法律で決められた業種の事業にかかり、事業主控除(年290万円)を差し引いた所得に、業種に応じて3〜5%がかかります。法人にも、法人税のほかに法人住民税や法人事業税などがかかります。
出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」「No.5759 法人税の税率」、総務省「個人住民税」、島根県「個人事業税」
法人にすると変わること
社長の収入が「給与」になる
会社から役員報酬を受け取ると、社長個人は給与所得控除を差し引ける。役員報酬は、決まったルールで支払えば会社の経費(損金)になる。
詳しく見る
給与所得控除は、給与の収入金額に応じて決まる控除です(令和8年分・令和9年分は最低74万円)。役員報酬は、原則として毎月同じ額にする必要があります。くわしくは「役員報酬の決め方」で解説しています。
赤字を繰り越せる期間が長い
青色申告なら、個人事業の赤字(純損失)は3年、法人の赤字(欠損金)は10年繰り越せる。
詳しく見る
法人で欠損金を繰り越すには、赤字の事業年度に青色申告をしていることが必要です。会社の青色申告の承認申請には期限があるので、「法人の青色申告」で確認しましょう。
社長1人でも社会保険に入る
法人は、報酬を受け取る役員が1人だけでも、健康保険・厚生年金保険の加入対象になる。保険料は会社と本人の両方で負担する。
詳しく見る
個人事業のときの国民健康保険・国民年金から切り替わります。保険料の目安は「社長1人の会社の社会保険」の計算ツールで確認できます。
赤字でもかかる税金と、運営の費用
法人住民税の均等割は、赤字でもかかる。設立の費用や、決算・申告を税理士に頼む場合はその費用もかかる。
詳しく見る
均等割の金額は「均等割とは」、設立にかかる費用は「株式会社と合同会社の違い」の計算ツール、税理士に頼むかどうかは「社長1人の会社に税理士は必要?」で解説しています。設立の仕方によっては、設立1期目・2期目に消費税が免税になる場合もあります(「会社の消費税はいつから?」)。
出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」「No.5211 役員に対する給与」「No.2070 青色申告制度」「No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」、日本年金機構「適用事業所と被保険者」、総務省「法人住民税」
法人成りを考えるチェッカー
※税率だけで比べた一般的な目安です。実際の税額は、社長の役員報酬の額、社会保険料、法人住民税・事業税などで変わります。法人成りを決める前に、税理士などに試算してもらいましょう。回答内容は保存・送信されません。
法人成りの手続きの流れ
詳しく見る
個人事業をやめるときは、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を出します。国税庁は、提出時期を「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」としています。会社を設立した後の届出の期限は、「会社設立後にやることチェックリスト」にまとめています。
出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
法人成りの相談先
法人成りで税金がどのくらい変わるかは、役員報酬の決め方や社会保険料によって変わります。決める前に、専門家に試算してもらうのが確実です。
- 会社設立・法人化の相談を受けている税理士法人。相談は何度でも無料で、池袋の事務所かオンライン(Zoom)で受けられる
- 個人事業のままがよいか法人にするかを、面談で税金を試算して相談できる
- 設立の代行費用を「実質0円」としているが、顧問契約(月額22,000円)を頼むことが前提
出典:税理士法人経営サポートプラスアルファ「会社設立」ページ(2026年10月18日確認)
よくある質問
法人成りすれば、必ず税金が安くなりますか?
株式会社と合同会社、どちらで法人成りするのがいいですか?
個人事業の廃業届はいつまでに出しますか?
個人事業税はどんな事業にかかりますか?
参考にした公式情報
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 国税庁「No.5759 法人税の税率」
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」
- 国税庁「No.5211 役員に対する給与」
- 日本年金機構「適用事業所と被保険者」
- 総務省「法人住民税」
- 国税庁「No.2070 青色申告制度」
- 国税庁「No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」
- 国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
- 税理士法人経営サポートプラスアルファ「会社設立」(2026年10月18日確認)
- 総務省「個人住民税」
- 島根県「個人事業税」
※この記事は一般的な情報と、公式サイトの掲載情報(2026年10月18日確認)をまとめたものです。個別の税額の試算や判断については、税理士や税務署に確認してください。